●都市アナリスト宣言!●

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五、 結び・大いなる野望
  〜〜 子や孫たちの世代のために

 すでに現役を引退したにもかかわらず、年甲斐もなく仰々しく都市アナリストを宣言しました。それは明確な目的や意図を持った大いなる野望によるものです、二十年も昔に書いた自分の論文に触発されて、制定以来既に半世紀も経った指定都市制度の抜本的な改革を改めて再び世に問うからには。ここに至る私の軌跡や立場や主張を明らかにすべきであると考えたからです。
 その上、引退したとは言え、若い世代の人たちと共に、今までの経験を踏まえて意欲的に、しかも愚直に理想を追求したいという個人的な信条によるものなのです。私の六十八年の生涯を迷うことなく、誤ることなく、極めて難しいビジネスや政治の分野で存分に送ることができた巨大都市神奈川というグラウンドに恵まれた幸運に報いたいという強い思い込みがあるからに他なりません。素晴らしい人々とめぐり合ってたった一度の人生を巨大自治体神奈川で、指定都市川崎で健康のうちに送れた喜びは、今筆紙に尽くすことができないほど大きなものです。
 それだけに、大都市に対する愛着と私の思い入れは強く筋金入りと自負もしているところです。だからこそ都市アナリストの道が待っていてくれたとも考えられるのです。日本と日本人の類まれな歴史とその所産に思いを巡らし、都市に蓄積された先人の英知はかけがいのない大いなる遺産であります。私達は今、空前の豊かさを享受しているネット社会で、その大いなる遺産を有効に活用して更なる遺産を子や孫達の世代に渡してやりたいという大いなる使命感と野望を今年の年賀状に記してご挨拶申し上げた次第です。本論を書き始めたのは、引退後一年有余の早春の梅花の頃でした。長年のご厚情に深謝し、近況と心境をお知らせしたいとの気持ちでしたが、書き進むうちに都市アナリストの夢が膨らんで時ならぬ政治報告のようになったり、私の個人的な回顧録のようになったりもしました。そして時は移り、梅花から桜花、新緑、透き通る鶯の声、そして早や初夏の風光り、深緑が美しい季節になりました。
 少々起伏に富んだ都市アナリストへの道のりをよりご理解いただきたく、長々とペンを走らせてしまいました。とにかく、大都市制度を改革して日本の活性化につなげたいという思いは募るばかりです。「知信 知恩 知分 知足」の心境で書き綴りました。
 最後にもう一度、「指定都市よ、蜂起せよ!」「自治権獲得に立ち上がろう!」と絶叫します。どうぞ力と知恵をください。と申し上げますが、心配は尽きません。指定都市制度が差し当たっての制度として発足して半世紀です。今もって抜本的な改革を唱える者は現れません。私は余程の変わり者なのでしょうか。私の現状認識が狂っているのでしょうか。

 

平成十七年六月(六十八歳の誕生日を迎えて)        

永井 英慈

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