●都市アナリスト宣言!●
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四、 分権社会の知恵と活力を求めて
〜〜 都市アナリストのこれから
三百年近くも続いた徳川の幕藩体制は日本の国のかたち〜統治構造としては見事な歴史を刻んだと思います。統治の側面に限らず、教育、文化、武道、茶道、花道、美術から建築など、徳川時代の平和の配当による文化遺産に圧倒されます。統治権力の総本山の幕府の構造とそれを支えた優秀な人材に加えて、地方統治の拠点の各藩の自治権、裁量権の構造と許容範囲が適正であったのでしょう。即ち、「幕府への集権」と「各藩への分権」の絶妙なバランス構造により、二百六十年の長期政権を可能にしたと見ることもできます。
私が江戸社会に強い関心を寄せるのは、明治維新により樹立された新政府による近代化の過程で発揮された、日本人の天才的な民族力に着目しているからです。特に徳川長期政権に加えて鎖国政策の下で、あの近代化の過程で爆発した日本人の驚異の民族力はどのように育まれ、どのように蓄積されたかなのです。専門家の分析をぜひ伺いたいところです。鎖国から開国という不透明で複雑な外圧も加わる中、幕藩体制から立憲君主制へと体制の変革即ち統治権力の所在と構造が変更されたにもかかわらず、長期に亘る大規模の内乱等の流血の大惨事を回避した、そのときの指導者の偉大さもさることながら、日本民族の激変に対応した賢明な適応能力は見事なことと考えます。特に、版籍奉還に続いて廃藩置県の激変に対して政治的存在の各藩の動向に注目すべきと思います。高い志に裏打ちされた日本人の価値観や連帯感は時代の結節点で倫理性を遺憾なく示されたのでしょう。
それに比べて市町村の平成の大合併のもたつきぶりはいかがなものでしょうか。今、連日報道されている民族や宗教や思想が複雑に絡みあっているイラクやアフガニスタンの新しい国づくりの困難と悲劇を見せ付けられ、日本の凄さを改めて考えさせられます。それは、静止状態の農業社会の特性により各藩に伝統的に内在していた「自立と分権」「自治と連帯と参加」の思想や理念が、意識されなくとも作用していたものと思われます。また、わが国の歴史を通じて外来の思想や宗教や技術に対する日本人の柔軟性と寛容さは特筆すべきものと常々考えておりました。
今日、わが国は複合変化が急速に進む極めて困難な時代に突入しました。明治以来の優れた官僚体制の上に築かれた中央集権体制が今日まで脈々と生き続け、旧憲法施行前後の明治二十一年、明治二十三年にそれぞれスタートした府県制と市町村制の地方統治制度は見事に機能し、今日の日本の空前の成功を導いたのですが、その成功の体制とシステムは今や硬直化して激変に対応できず、機能不全に陥り、社会の活力が失われていると私は憂慮しているところです。あの驚異の民族力が残念ながら封じられているのです。
日本の地方自治体は集権体制下の従属と依存の呪縛から脱して、「自立と分権」「自治と連帯と参加」の理念により日本社会を如何に活性化するか、言い換えれば、封じ込められている国民と地方・地域の知恵とエネルギーを如何に開放して病める日本を再生し、萎える都市を活性化するかが深刻に問われているのです。
教育水準の極めて高い成熟社会では大胆な分権型社会以外に活性化のための知恵もエネルギーも期待できないのです。言うまでもなく、国も地方自治体も連帯意識に富む政治機能を強化するとともに、NGO、NPO、ボランティア、コミュニティなどの民間セクターの力を思い切って活用する時です。特に市民の帰属意識、連帯意識が希薄で流動性の激しい不安定な大都市社会では切実です。そのためにも、今こそ都市における柔軟で身近な政府による統治構造の構築が待ったなしです。
47の都道府県に細分化された広域自治体では、グローバル化が激しく進行する今日、区画が過小のため地球社会を視野に入れたダイナミックな対応力は期待できません。平成の大合併が進められていますが、これとて基礎自治体としては弱小に過ぎて、三割自治はおろか一割自治もなく、知恵も活力も出せないのが実情です。全国画一、均一の行政サービスを提供する発想は、今や完全に時代遅れです。理念なき平成の大合併などと揶揄されることのないように、二十一世紀の救国の視点から、広域自治体、基礎自治体を問わず、真剣にインターネット社会の時代での有効で効率的な適正規模の追求が待たれています。今こそ、大胆な発想による大胆な地方制度を導入する絶好のチャンスです。一刻の猶予もありません。そして、明治以来の近代化の中で示された日本人力の驚異の知恵とエネルギーを再び爆発させて、グローバル社会の中でリーディングカントリー(先導的な国)として地球環境や資源の有限の二十一世紀を生き抜いてほしいものと願うや切なりです。
既に機関委任事務は廃止され、国と地方自治体は対等・平等の関係になりました。自治事務と法定受託事務に分けられ、国と地方の守備範囲が明確になりました。今後は国の統治機関の性格が強かった地方自治体の政治機能、自治能力を如何に高め、如何に強化するかが最大の課題です。それをせずに地方の自立も活性化もあり得ないのです。もちろん日本の再生も望めません。歴史と伝統を誇り、権威ある地方制度調査会も地方六団体も学界も総務省を中心とする各中央省庁も、視点と発想のドラスティックな転換が迫られているのではないでしょうか。とりわけ利害を共有している経済界と労働界にとって、大都市制度は死活的に、根本的に重大なテーマと考えます。経団連、経済同友会、商工会議所、連合等の団体は大都市制度に関する専門部会を設けて、総力を挙げて取り組むことを期待します。
衆議院議員在職中に私は独自に日本リストラ法案(仮称)を作成し、日本の国のかたち〜国と地方の統治構造を提示して道州制の具体案を提案しています。憲法調査会の動きが報じられていますが、地方制度は憲法に書き込む必要はないと考えています。道州制は「自主と分権」「自治と連帯と参加」の拠点となる、極めて重要な地位を占める、救国の切札なのです。地方制度調査会では議論を始めましたが、道州制は最早議論の段階ではありません。日本の再生と救国のために、グローバリゼーションに対応する大国の制度として一日も早い導入が不可避と焦りを禁じ得ません。
国と地方自治体の財政赤字は天文学的数字で、正に危機です。国と地方の統治の構造から抜本的な改革、革命的な改革が不可避と考えています。この都市アナリスト宣言に続いて、私の道州制を改めて提示してご高説を伺いたいと存じます。さらに、私の基礎自治体論も提案したいと考えております。
かけがえのない子や孫達のために、IT革命が進行中の今日、大都市改革を実現して活力が溢れる都市社会、元気な日本を作り上げることができればと年甲斐もなく意欲を燃やしています。
申し述べましたように、私は巨大都市でたった一度の人生を送ってきましたから、巨大都市での現場体験、生活体験は人後に落ちませんが、都市問題、地方自治の専門家ではありませんので事実誤認や地方制度等に認識の誤りがありましたら是非ご指摘を頂きたいと思っています。これからは、皆さんからのご意見やご指摘を頂いてよりよい具体的提案を折にふれて行っていくつもりです。
インターネットは確実に人類の社会を変えています。インターネットは極端な集権や独裁を許しません。複雑化し、多元化した分権社会を築くために、優れた改革者の役割を担ってくれます。私のホームページにアクセスしてください。そして建設的で生産的な意見やアイディアのメールを心からお待ちしています。
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